ピラティスで押さえておきたい4つの『ポイント』
ピラティス「きほん」の「き」
ピラティスで体を整えるには「骨格」の仕組みや役割を理解し、それらを正しく動かすことが必要です。
ピラティスは力を入れることに重点をおかず、力を働かせることに重点をおきます。

1. 呼吸:最も大切なこと
ピラティスの基本は胸式呼吸です。呼吸は単に酸素を多く取り込むだけが目的ではありません。呼吸を深く正しく行うことで横隔膜をはじめとする、腹横筋、肋骨周りの肋間筋、横隔膜と連動する骨盤底筋群などの筋肉や普段は意識しずらい筋肉群に広くアプローチできます。 普段行っている呼吸は、ほとんど横隔膜によるもので肋骨周りの筋肉はあまり使われていません。肋骨周りの筋肉がかたくなると呼吸が浅くなりピラティスの動きも力みやすく、結果としてしなやかな体づくりができません。

2. パワーハウス:コアの真の意味
ピラティスは体中のさまざまな筋肉を動かしていきます。この時に意識してほしいのが体の軸となるパワーハウス。 肋骨の下から2番目の骨あたりに広がる『横隔膜』、骨盤の底に広がる『骨盤底筋群』、そこに挟まれるようにして存在し「天然のコルセット」とも呼ばれている『腹横筋』、背骨に沿うようについていて腰椎下部から骨盤にかけて広くなる『多裂筋』で構成されています。
ピラティスは常に体の中心(軸)であるパワーハウスを安定させてから動き出します。体の中心が安定することで四肢を正しく無理なく動かすことができるからです。ピラティスで最も難しいのが、このパワーハウスの安定です。

3. ニュートラルポジション
ピラティスで最初に覚える姿勢です。 ピラティスに仰向けの姿勢から始まるエクササイズが多いのは体とマットの接地面が増えることで、安定した状態で体に意識を向けやすくするためです。ニュートラルは体にとっての「中立、中間」という意味があり、体に負担がかからず、 体全体が調和して動いてくれる最も自然なポジションになります。 ピラティスは体の機能的で効率的な使い方をエクササイズを通して学んでいきますが、それはまるで物理学や建築学に通ずるところも多く、そのため全ての基準となる「ニュートラル」を学び意識することがとても重要になります。

4. アーティキュレーション
関節の動かし方や動きの幅を意識して行う「分節動作」のことを指します。
アーティキュレーションの目的は、筋肉や関節の不必要な緊張を解放し、筋力と柔軟性を同時に高めること。それにより体の姿勢や動作のパフォーマンスが向上し、体の各部が連携して効果的に動くことができるようになります。 足首のアーティキュレーションを行うことで足首の柔軟性や安定性が向上し、正しい足裏の使用や体重移動が可能になり膝や股関節への負担が軽減されます。他にも、背骨のアーティキュレーション、肩関節のアーティキュレーションなどがあります。