『体の現在地』:40代からの体づくりの勘所
「最近何となく弱ったなぁ」と感じたら、それはフレイル(虚弱)の兆候かもしれません。
フレイルとは、加齢によって筋力や心身の活力が低下した状態。病気ではなく、健康と要介護状態の中間にあたります。
フレイルになると、活力や筋力、認知機能が低下します。そのために外出がおっくうになり、さらに活動性が低下し、人と接する機会が減り、食生活のバランスも悪くなり、ますます筋力や認知機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
健康だった人が要支援・要介護状態となる主な原因には、認知症や脳卒中、転倒などによる骨折だけでなく、フレイルも挙げられます。
自分の健康を過信せず、今の生活習慣が将来、大きく影響することを忘れないようにしましょう。
老化を止めることはできませんが、身体機能の下降ラインを努力次第で緩やかにすることは可能です。
なんとなく弱ったなぁと感じたら
ピラティスの代表的なエクササイズである「ROLL-UP:ロール・アップ」は、体の繋がりを感じさせるムーブメント(身体動作)です。
筋力と柔軟性、呼吸、マインドの絶妙なバランスが優美でたおやかな動きをつくり、強靭でしなやかな体をつくります。
40代からの健康な体づくりの勘所は、筋肉を増やすことよりも減らさないという意識が大事になります。
40代、50代は老化と色々な病気がリアルに迫ってくる年代。バランスの取れた食生活、適度な運動、良質な睡眠。健康で自立した生活を送りたいなら、やるべきことはとてもシンプルなことばかりです。
ロール・アップは、今の自分の体の現在地(筋力、柔軟性、統合力)を測るエクササイズです。腹筋の強さだけでは決して滑らかに起き上がることはできません。
お腹を膨らませず、勢いをつけず、足を床から離さずに柔らかい動作で起き上がれますか? そして、滑らかに元の位置に戻れますか?
*ロールアップは腰部の屈曲動作を伴うため腰椎椎間板ヘルニアのある方は禁忌動作になります。