からだの現在地
「最近何となく弱ったなぁ」と感じたら、それはフレイル(虚弱)の兆候かもしれません。
フレイルとは、加齢によって筋力や心身の活力が低下した状態。病気ではなく、健康と要介護状態の中間にあたります。
フレイルになると、活力や筋力、認知機能が低下します。そのために外出がおっくうになり、さらに活動性が低下し、人と接する機会が減り、食生活のバランスも悪くなり、ますます筋力や認知機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
健康だった人が要支援・要介護状態となる主な原因には、認知症や脳卒中、転倒などによる骨折だけでなく、フレイルも挙げられます。
国立長寿医療研究センターが示している判定基準は、①6カ月で2キロ以上の意図しない体重減少、②握力の低下(男性28キロ未満、女性18キロ未満)、③直近2週間の原因不明の疲労感、④歩行速度が秒速1メートル未満(大通りの信号を1回で渡り切れない程度)、⑤週に一回も軽い運動やスポーツなどを行っていない─の5項目。このうち3項目に当てはまればフレイル、1~2項目で予備軍の「プレフレイル」が疑われます。
なんとなく弱ったなぁと感じたら
自分の健康を過信せず、今の生活習慣が将来、大きく影響することを忘れないようにしましょう。
老化を止めることはできませんが、身体機能の下降ラインを努力次第で緩やかにすることは可能です。
ピラティスの代表的なエクササイズである「ROLL-UP:ロール・アップ」は、体の繋がりを感じさせるムーブメント(身体動作)です。
筋力と柔軟性、呼吸、マインドの絶妙なバランスが優美でたおやかな動きをつくり、強靭でしなやかな体をつくります。
ロール・アップは、今の自分の体の現在地(筋力、柔軟性、統合力)を測るエクササイズです。腹筋の強さだけでは決して滑らかに起き上がることはできません。お腹を膨らませず、勢いをつけず、足を床から離さずに柔らかい動作で起き上がれますか? そして、滑らかに元の位置に戻れますか?
40代、50代は老化と色々な病気がリアルに迫ってくる年代。バランスの取れた食生活、適度な運動、良質な睡眠。
健康で自立した生活を送りたいなら、やるべきことはとてもシンプルなことばかりです。
*ロールアップは腰部の屈曲動作を伴うため腰椎椎間板ヘルニアのある方は禁忌動作になります。