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​あなたにとって美しいとは?
 

日本では、多くの人が外見の美しさに重きを置いていると感じます。私は仕事柄のせいか、お客様以外との会話でも美や外見について質問されたり、アドバイスを求められることがよくあります。特に女性は体重や服装に強いこだわりを持ち、自分が「美の基準」に合わないと感じると、不安を覚えることが多いようです。

では、ここでいう「美の基準」とは何でしょうか。それは、消費のマーケティングによって作られた「表面的な美しさ」、つまり誰かが決めた「理想の美しさ」や、誰かの「コピー」にすぎないのかもしれません。

ある外資系マーケティング会社が、日本と英国の女性を対象に行った調査があります。 『あなたにとって美しさとは何ですか?』という問いに対し、日本の女性は「色白であること」「シワやシミがないこと」といった外見についての答えを多く挙げました。一方、英国の女性は「元気であること」「前向きでいること」「明るいこと」など、内面のあり方を美しさとして捉えていました。

私はこの結果を見て、日本では表面的な美にこだわりすぎるあまり、心と体を切り離して考えてしまう傾向があると感じました。それでも、自分の見た目を大切にすることは決して悪いことではありません。むしろ、日本では外見に気を配ることがアイデンティティーの一部であり、他者へのマナーとさえ考えられています。

ただ、ひとつ残念に思うのは、自分自身で決めた「美」ではなく、誰かが作り上げた基準に盲目的に従ってしまうこと。そして、そこには「健康」の視点がしばしば欠けていることです。

東洋医学には『健美互根』という言葉があります。健康と美しさは互いに深く結びついており、「美しさは健康を基礎として成り立つ」「健康の先にこそ、真の美しさがある」という考え方です。

どんなに華やかにメイクをしても、肌が乾燥し、くすんでいれば美しくは見えません。どんなに洗練された髪型をしても、髪に艶がなく傷んでいては輝きません。どんなに細身の服を着ても、過度に痩せた体は魅力を感じさせません。どんなに高級な装いをしていても、暗い表情やだらしない所作では印象を悪くします。

人生に彩りを与える美容は、とても大切な要素です。ただし、それには健やかな心と体が土台にあってこそです。

心があって体があり、体があって心がある。目に見えるのが体で、目に見えないのが心。

「見た目の美しさだけでなく、心身が美しくあるために私たちにできることはなにかを考える。」

この思考こそがナウシカの核であり、私たちのピラティスを特徴づけるものになっています。

ナウシカピラティスの美の基準

​美の基準

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